やる気と評価基準

MIXIのゲームにはまっている。牧場でお世話をすると、「お金」が増えて、順位が上がるというもの。植物や動物を相手にしながら、実はビジネス1.0。はまる理由は、評価基準が単純であること。頑張った結果が見えるから。フィードバックが得られるからだ。

現実の社会では、お金だけを評価基準にしてしまうと、悲惨だ。人間の多面的な評価が失われる。仕事の成果は利益、要するにお金なのだが、お金に至るまでの要素が多いため、複雑系になっている。評価基準を、もっと単純化すると、フィードバックがわかりやすくなって、進歩成長を感じやすくなる。

人のモチベーションを挙げるには、本当にしたいことと、仕事の内容やミッションとが一致していることが望ましい。私の仕事は、コーチングやカウンセリング、グループへのファシリテーションなどを用いた関わりの中から、本当の目的を引き出して仕事につなげること。

そうした「人」への関わりが、その人のないたい未来をはっきりさせ、実現させて、結果的に会社の成果も上がると考えている。だが、さらに必要なものがあって、それが、評価制度だ。本人がやりがいを持っていても、会社の評価が制度的に保証されなければ、やる気はやがてしぼんでしまうだろう。

シェアか、利益率か。この違いだけで、行動面では拡大か縮小かの違いが出るかもしれない。なにを評価するか、それは構成員に示すあり方の表現なのだ。ホームページにはミッションが良く書かれるようになったが、それと評価制度が一致していることが重要だ。

「お金」「利益」という、企業にとっての評価基準の手前に、進歩成長や、あり方が反映されるような、単純な評価基準があるといい。比較しやすい単純な評価基準を持っている会社は多いが、ノルマ達成や管理に用いられて、やりがいにつながるフィードバックという視点では用いられていないように思う。

もともと、測定するのは、成果につながる行動ができているかというフィードバックのため。だからそれを使って「人」ではなく、「業務フロー」を管理し、人には、自分をなりたい姿に変えていくための素材として利用してもらう方がいいのである。子供の成績表が本人が利用するためにあるのと同じである。


  *ツイッターにつぶやいているうちに長くなったので、こちらに転載しました。